スペイン紀行

スペインあれこれ

コミ―ダ・エスパニョーラ(スペイン料理)

日本料理と言えば寿司・テンプラ・懐石料理と名前が浮びますが、スペイン料理にはそんな代表する料理はありません、パエジャの様にスペインを代表する料理もイチ地方料理でしかありません。


スペイン料理と普通の人が思いつくのはパエジャ・アヒージョ・位じゃないですか?、スペイン料理は実に豊富な料理法があり、エウロパではフランスより美食家の多い国だと思います、私が初めて取引先と会食した時に言われた言葉が忘れられません、「もっと食事を楽しみましょうよ!、餌ではないのだから」、私は早食いなのは解るのですが2~3時間は昼食に掛けないですよね、El Escarpinはアストゥリア料理の名店、アストゥリアって何処やねん、ですよね~聞いた事が無い方の方がほとんどでしょう、スペイン北部西の方にある州です、スペインの地図を見ると牛の頭の形をしていますよね、牛の右耳の付け根に当る位置にアストゥリアが在ります。


ビスケー湾に面しているため海産物に恵まれていて、雨もよく降り乾いたイメージのあるスペインの中でも農産物収穫も多い、そんな州だからこそ美味しい料理がたくさん有ります、マドリーの中心オペラに近くに在るエル・エスカルピンでアストゥ―リア料理を召し上がってください。

アストゥリア料理と言えばFABADA(ファバダ)、FABES(白インゲン)とチョリソ・モルシ―ジャを一緒に煮込んだ、煮込み料理でシードラ(リンゴ酒)と合います、モルシ―ジャは地域によって少し違いはありますが、豚の血とハーブを固めソーセイジ状にしたもの。


余談:お酒はそんなに強くないのですが、シードラが出たのでスペイン北部には他にチャコリと言うお酒が有ります、チャコリはワインですがシードラはリンゴ酒、でも注ぎ方は同じでボトルを高く持ち上げ、グラスを目一杯下に下ろし、持ち上げたボトルから注ぐとグラスに空気が混ざり、美味しく爽やかな味になるそうです、食後にオルホが出るのもスペイン北部の特徴ですね。   *オルホ:ワインの絞り粕を再発酵させたお酒。

アストゥリアはビスケー湾に面しているためメヒジョン(ムール貝)も美味しい、新鮮なメヒジョンはやはりシードラをグラスに注いで貰って味わう。

エル・エスカルピンを入るとBARになっています、奥へ進むとレスタウランテになっていますので、ゆっくりアストゥリア料理を召し上がってください。

メソン・デル・チャンピニオン、有名ですよねマドリーに行く日本人は必ず行くと言ってもイイくらい、キノコ(セタ)のプランチャはお奨めの一品です、雰囲気もですがスペイン・マドリーに来た~と言う実感。

ピミエント・パドロンちょっと写真がぶれちゃった。

サングリアとこれだけで案外お腹がふくれます、BARは2~3~4軒回るのが基本なので、一カ所で食べ過ぎないのが鉄則(いくら美味しくてもね)

狭い入口から入るとカウンターで立ち飲み立ち食いの後ろを通り、奥へ進んで行くとエレクトーンに当ります、折角来たのですからテーブルに座って奏者の奏でる北国の春でも聞きながら食べませんか。

マドリーのプラサ・マヨールのトレド門を出てすぐ左にある「ラ・カサ・デル・プルポ」、プルポ(タコ)と言えばガリシア、ガリシアはアストゥリアの西隣り、ガリシアはビスケー湾と大西洋に面しているため、新鮮な魚介類が取れます、ナバハ(マテ貝)・ペルセベス(亀の手)・プルポ(タコ)・オストラ(カキ)・メヒジョン(ムール貝)、美味しいBARです。

プルポ・デ・ガジェゴ・コン・パタタ。

ガンバス・アル・アヒージョ。

コリーダ 2 (闘牛)

闘牛は祭礼儀式の叙事詩だと言われています、雄牛(トロ)豊饒のシンボルとされ、アルタミラの洞窟壁画にも描かれており、古来よりスペイン人の崇拝に近い文化でしょう、牛にまつわる行事はスペインの北から南まであり、スペイン人のコラソンである。
Corrida de toros(闘牛)は18世紀に今行われている形に確立、200年の歴史をもちラテン文化には切っても切れない。

馬に乗ったピカドールが牛の動きを弱める、ピカドールは決して白線より中へは入ってはいけない。

ご覧のピンクの裏地に黄色い布「カポーテ」で華麗な牛捌きのマタドール、両腕を拡げたバンデリリェーロが牛にバンデーラを突き立てる

機敏な動きで牛を交わしバンデーラを牛へ。

ここでマタドールが登場して「ムレータ」で牛をいなす、一歩も動かずムレータのみで自由自在に思うのまま牛を動かす。

いよいよ「真実の時」が訪れます、マタドールが持つ剣をエスパーダと言います、エスパーダにはカーブしており牛の肩から頸椎より心臓に入るます。


牛を苦しませず一息に絶命さす腕がマタドールの見せ処、一歩間違えばマタドールが牛の立場になる事も、私はマタドールが太ももを刺されてタンカーで運ばれる場面を見ましたよ。


素晴らしい「真実の時」を見せたマタドールは、観客からハンカチを振る称賛を受けけ、牛の耳を貰える。

フラメンコの次は?当然?

文化を他国から批判されるのは日本もクジラで経験しているのですが、スペインも隣国フランスの動物愛護団体よりバッシングを受けている、闘牛を野蛮な行為とみるか文化の継承とみるかは考え方の違いだろう。


写真はスペイン最大にして最高の権威のあるマドリーのラス・ベンタスのプラサ・デ・トロスです、闘牛をスペイン語ではコリーダと言い、闘牛士をトレロと言います、今でもスペイン少年の憧れの職業です、闘牛はスペイン国内だけではなく、南米・中南米でも盛んに行われています。

闘牛開催は3月~9月の日曜日と祝日フェリアに行われます、夏場は19時頃から約2時間ほど行われます、1日に6頭の選ばれた牛が出てきます、6人が1チームとなり3チームが2頭の牛と対峙することになります。



そろそろ18時30分なので客が入り始めます。

ビジェテ指定(チケット)のブースに分かれ自分の席に着きます

ここで席のランクについて書きますね、席のランクは細かく分かれていますので大まかにソル(日向)ソル・イ・ソンブラ(日向と日陰)ソンブラ(日陰)、もちろん日影が一番高いのですがコンサートホールで言えばスペシャル席。

手前がソル席、中程がソル・イ・ソンブラ、奥がソンブラです、夏場に行く場合ソル席は安いのですが日焼け対策と熱中症には気を付けて、ソル席は想像以上に大変ですよ。

闘牛は人気の伝統競技ですので席が取るのが難しいです、流石の私もレセルバ(予約)をするか早い目にビジェテを押さえます。

闘牛場は最初にセレモニア(儀式)がありますので、少し早めに行きましょう、始まる前のエスパニャ・カーニーを聞くと気持ちが盛り上がりますよ。

身動きできないくらいビッシリの観客です、ムレタで牛が見えませんが650キロの今日一番。

闘牛も無事終了21時30分スペインの夜は長い、まだまだ明るいのでこれからBAR巡り、先ほどの牛が近くのBARでいただけるのです。


コリーダの続きをまたアップしますね。